2017年7月31日月曜日

500万人が悩む「便もれ」には肛門しぼり 便がもれる、便もれ、便失禁を治す

40代でも肛門がゆるい人がいる

便秘や下痢に悩む人が急増しています。そのなかで、近年急速にふえているのが、便もれ(便失禁) についての悩みです。

尿もれに比べ、便もれや便失禁といいう言葉は、あまり耳にしたことがないかもしれません。というのも、便もれの症状がある患者さんは、その大半がだれにも相談できず、1人で悩みを抱え込んでいるからです。便もれしているのは、自分だけと思い込む人もいるほどです。

しかし、日本では現在、便もれに悩む人が約500万人いるとされています。将来的にもっと多くの人が、便もれの悩みに直面すると予想されます。

便もれが起こる原因は、下痢や軟便、肛門括約筋の衰え、痔などの肛門の病気、神経障害などさまざまです。

意外にも、便秘も便もれの原因となります。直腸にたまった便が硬くなり、肛門を押し広げて、硬い便と腸壁のすきまから便汁が出てしまうことがあるのです。さまざまな原因のなかで、圧倒的に多いのは、肛門括約筋の衰えによるものでしょう。

消化器の専門家は、腹の中を観察する内視鏡を肛門に入れて検査するので、その人の便に関するトラブルがすぐにわかるといいます。

内視鏡を入れる前に、肛門に指先を入れ、直腸を触診します。その経験からいえるのは、70歳を過ぎても肛門がきゅっと締まっている人もいれば、まだ40代なのに締まりが凄くなっている人もいるということです。

そして、肛門の締まりが悪い人に、便もれがないかと尋ねると、大半の人が「実は」と悩みを打ち明けてくれます。便もれを改善するには、肛門括約筋を強化し、肛門の締まりをよくすることです。そこで、私は、肛門括約筋を鍛えて強化する「肛門しぼり」というエクササイズをおすすめしています。

肛門しぼりは、呼吸に合わせて、肛門を締めるエクササイズです。私が肛門しぼりを考案するに至ったのには、2つのルーツがあります。

1つは、日本初のヨガ行者として高名な、「心身統一法」を説いた中村天風氏の教えです。 これは「クンパハカ」というもので、肛門を締めて、肩の力を抜いて肩を下げ、下腹にカを充実させるヨガです。

天風氏がインドで修業をしたのは、今から100年くらい前のことです。当時のインドでは、道端で生き倒れている人がたくさんいました。天風氏は、そういう人を助けるかどうかを判断するときに、肛門に指を突っ込み、肛門が締まる人を助けたそうです。

つまり、肛門を締めるカは、生きるカだと考えていたのです。もう1つのルーツは、空手の鎌形勇先生に教えてもらった、「三戦」という空手の型です。

三戦は、立った姿勢で肛門と丹田に力を入れながら、息を「ふーっ」と吐き切る下半身の鍛練法です。
私は、この三戦の型が、肛門括約筋を強化して肛門を引き締め、おなかの筋肉を鍛える効果が高いと考えました。

そして、偶然にも、天風氏の説いた、ヨガと全く同じであることにも気づいたのです。肛門しぼりは、立って行うのが基本ですが、立って行うのが難しかったら、いすに座って行ってもいいでしょう。

ただし、座って行う場合、肛門を締める動作がやりづらく感じるかもしれません。そこで、いすの座面からお尻を少し浮かして肛門を締めると、うまく肛門括約筋を強化できるはずです。

肛門しぼりは、朝、昼、晩の1日3回、食前に行いましょう。食後に替りと、消化吸収の妨げになるので要注意です。

これまで、便もれに悩む多くの患者さんに、肛門しぼりを指導してきました。患者さんの多くから、「便もれがなくなって幸せです」といいう声を聞いています。便もれの予防・改善だけでなく、尿失禁の改善にも役立つので、実行してみてください。


  1. 両足を肩幅に広げ、やや内股ぎみにして、背筋を伸ばしてまっすぐに立つ。両手で握りこぶしを作り、左右の腕を胸の前で交差させる。
  2. 肛門とへそ7センチにある丹田を意識して深く息を吸い、お腹を凹ませます。
  3. こぶしを強く握り、両腕を腰の両脇に引いて、口から息を吐きながら肛門と丹田に力を入れます。肛門はぎゅっとしぼるようにします。
  4. そのままゆっくりと息を吐く。最後まで吐いたらさらに吐ききる。一気に力を抜いて1に戻る。
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